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特集
税理士なしの税務調査は象と蟻の戦い
~ 第二幕 ~
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税理士なしの税務調査は象と蟻の戦い
~ 第一幕 ~
税務署が突然やってきた

税務調査の生の情報


「税理士なしの税務調査は象と蟻の戦い」
 小島社長は、東京の下町で郷土料理(社長の故郷の料理)と地酒や各地の地ビールを看板としてたびたび雑誌社からの取材もある人気の居酒屋を経営している。夫婦二人と板前二人、あとはホールのアルバイトが17~18人くらいで、最大70人までの宴会も可能な広さのお店である。
 小島社長は頑固一徹の職人気質で、何から何まで自分ひとりでやらないと気がすまない性格であり、こころのこもった料理とおいしいお酒を出してお客様に「うまい。」と言われるのが楽しみだった。

 売上も上々で商売は順調に伸びてきていた。そんな矢先に、税務調査官の突然の訪問に気が動転してしまい、経理パートの安住さんに知合いの佐藤税理士を緊急で紹介してもらった。

 午後4時30分佐藤税理士事務所の電話のベルがけたたましく鳴った。税務署とのバトルの第一幕がこうして始まった。

前半 第一幕

調査官
安住さん
「佐藤さん、こんにちは。いや、実は今、困っているんですよ。」


宮本税理士
佐藤税理士
「やあ、しばらくですね。どうしたんですか?ご家族はお元気ですか?」


安住さんと佐藤税理士とは、小学・中学を同じ教室で学んだ間柄である。


調査官
安住さん
「元気どころじゃないですよ。突然!税務署が私の働いている店にきて、うちの社長も奥さんも真っ青な顔して震えてるんですよ。」


安住さんはかなり興奮した口調で


調査官
安住さん
「最初から税金をごまかそうとしていると決め付けて、あなたも一緒にやってんですか、などといわれて、まるで私が悪人みたいで失礼しちゃうわ。」


宮本税理士
佐藤税理士
「税務調査ですね。顧問税理士がいないと専門の税務署職員にはなかなか対等では応じることは難しいですね。社長さんはどう言っているんですか?」


調査官
安住さん
「今言ったとおり社長も奥さんも真っ青な顔をして怖い、怖いと言ってるし、何にも悪い事をしてないし、税金もちゃんと払っているのになんでこんな目にあわなくちゃいけないんだって・・・。
やっぱり専門の人に頼んだほうがいいかなって言っているんで佐藤さんに電話をしたんです。」


宮本税理士
佐藤税理士
「確かに専門的なことになってくるから、税務署の職員から見れば赤子の手をひねるみたいに簡単なんですよ。他ならぬ、安住さんの紹介だから、他の予定をずらして最優先でお手伝いしましょう。」


安住さんと佐藤税理士との話を聞いていた小島社長は、早く電話を変わってくれとのジェ スチャーをした。


調査官
安住さん
「社長もよろしくお願いしますと言っていました。電話かわりますね。」


大川社長
小島社長
「もしもし、今、税務署の人が来て、すごく怒られて困っているんです。大きな声で伝票もってこいとか、怖くて怖くて・・・。」


小島社長は、のどがカラカラのかすれ声で状況を説明した。


大川社長
小島社長
「こんな事初めてで、帳場の電話ではなくてホールの電話器から電話しているんですけど、助けてくれませんか。」


宮本税理士
佐藤税理士
「はい、わかりました。お引き受けしますよ。落ち着いて答えてください。 それと、税務署の職員はいつきましたか?今日はこれまでどういうやり取りがありましたか?」


大川社長
小島社長
「朝から今夜の仕込をしているときに午後になって税務署の人が2人突然来たんですよ。」


宮本税理士
佐藤税理士
「税務署員はおいくつぐらいの人ですか?」


大川社長
小島社長
「一人は若くて25・6歳、もう一人は30歳を少し過ぎたくらいの人ですね。」


宮本税理士
佐藤税理士
「そうですか、身分証明書を提示してくれましたか?それとこれは任意調査か強制調査か説明してくれましたか?」


最近税務署員にふんする悪質な詐欺事件があるため、佐藤税理士はこんな質問をしたのだった。


大川社長
小島社長
「身分証明書は見せてくれましたけど、そんな説明はありませんでした。それからかなりの大声でオイ、コラッ!の口調で売上やら仕入やらのわかるものを持って来い、見せろっていわれました。」


宮本税理士
佐藤税理士
「それはちょっとひどいですね。私が立ち会う税務調査ではそんな事はありませんけどね。」


大川社長
小島社長
「帳場の裏の棚を探したり、ビールや酒を置いてある倉庫に入っていったり、二階に上がって箪笥の中を見せろってこんな具合ですよ。まるで犯人扱いですよ。ちゃんと税金を払っているのに・・・。」


宮本税理士
佐藤税理士
「ほう、プライベートなところまで踏み込んできたんですね。」


大川社長
小島社長
「そうなんですよ。こんな事までするんですか?税務署って!?」


佐藤税理士は時計を見ながら、小島社長の商売のことが気になってきた。


宮本税理士
佐藤税理士
「もうそろそろ開店の時間じゃないですか?」


大川社長
小島社長
「そうなんですよ!こんな場面をみられたらお客さんの信用がなくなっちゃいますよ。それに、うちの板場にも脱税してるんじゃないかって思われたりしてねぇ。ほんとに嫌になっちゃいますよ。
ああ、また税務署が大声で呼んでる!いかなくちゃ。
じゃ、先生お願いしますよ。」


宮本税理士
佐藤税理士
「わかりました。税務署職員と替わってください。」


佐藤税理士は、重々しい口調でゆっくりと丁寧に電話の向こうの税務署の職員に語った。


宮本税理士
佐藤税理士
「もしもし、調査立会いを依頼された税理士の佐藤です。失礼ですが、お名前は?」


調査官
税務調査官
「日本税務署法人税○○部門の××です。」


宮本税理士
佐藤税理士
「日本税務署法人税○○部門の××ですね。」


即座に名簿で在籍を確認した。


宮本税理士
佐藤税理士
「で、今日はどんな調査ですか?納税者に説明しましたか?」


 こんなやり取りが続いた後、後日佐藤税理士立会いのもとで税務調査をうけることにし、この日はとりあえず調査官には帰ってもらった。そして書類を預けたり、印鑑を押したりしないようにと小島社長にアドバイスをしてようやく電話を切った。佐藤税理士は突然の依頼にもすばやく対応した。
 小島社長は佐藤税理士をまさに救世主と思った。
 第二幕では、佐藤税理士と税務調査官の信じられない攻防戦が繰り広げられることとなる。お楽しみに。
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