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税理士なしの税務調査は象と蟻の戦い
~ 第二幕 ~
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税理士なしの税務調査は象と蟻の戦い
~ 第一幕 ~
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税務署が突然やってきた
税務調査の生の情報
「税務署が突然やってきた!!」
JR駅前の商店街で独立系のスーパーを経営し、酒類の業務店向けの卸売りと産地直送の銘酒やこだわりのつまみの注文販売もしている。スーパー部門は朝8時から夜12時までの営業で年中無休である。地方出身の大川社長は、この店を開業して35年になる。地域の活動にも積極的で少年野球のコーチもしている。
社長、奥さんと息子が取締役で他に社員1人交代制のパートが15人ほど働いている。
2月24日、突然税務署がやってきた!!
大川社長
売上日計表を見せてくれ、預金通帳を出してくれ、現金を数えてくれと
言っているんだけど。この忙しい時間帯にそんなこといわれても対応
できないよ。なんとかしてくださいよ。」
宮本税理士
「はい、わかりました。調査官と電話をかわってください。もしもし、
顧問税理士として税務調査には立会いたいので、後日にしてくれませんか。」
調査官
「いや、われわれも現況調査をしたいので、現金商売の事業所にはこういう抜き打ち調査を取らざるをえないのです。わかってください。」
宮本税理士
「でも、私は移動中で千葉に向かっています。状況がわからないので、とりあえず後日にしてください。」
調査官
「いや、課長の命令ですから、そういう訳にはいかないんです。今度の課長は非常に厳しい人ですから、先生のおっしゃることは難しいと思いますけど。」
こんなやり取りが税務署の調査官と宮本税理士とあった後、大川社長が待ちきれず調査官から電話を奪った。
大川社長
「先生、そんなこといってもうちは今が一番忙しい時間帯なんだから何とかしてよ。店の前に税務署の調査官が2人も立っていたら商売にならないよ!」
宮本税理士
「そうですね。もう一度、電話替わって下さい。」
調査官
「はい、替わりました。先生、何でしょうか。」
宮本税理士
「前の調査では申告是認の通知をもらっているぐらい適正な申告をしている会社だということはわかっていますよね。今回は、私も遠方にいますので次回に日程を組んでください。」
調査官
「先生もご存知のとおり、仕事ですからやむを得ないんですよ。」
宮本税理士
「そうは言っても、商売の一番忙しいときに急に来ても、商売に影響が出ますよね。」
調査官
「それはわかっています。」
宮本税理士
「社長も調査を受けないと言っている訳ではないので、なんとか後日ということでお願いします。それでは3月上旬に取り合えず社長に1日だけ取っていただきますので、それを初日として調査をしてください。私も忙しいですが、調査官に日程を合わせますから。」
こんなやりとりがひとつの電話器でしばらく続いて、3月の確定申告の時期にもかかわらず、後日2日間日程を取ることで調査官には帰ってもらった。
税務調査の初日、一通り書類等を確認して「それでは今度は4日後にしましょう。」この日の会社での調査は終わった・・・。翌日朝一番に再び社長から電話がかかってきた。
大川社長
「先生、今銀行から電話があって、調査官が三人も来て、うちの家族全員の預金通帳の写しを出すように言われているらしいんですよ。そんな事までするの。いくらなんでもひどいんじゃない。」
宮本税理士
「そうですね。でも社長の所はきちんとしているから大丈夫でしょう。」
大川社長
「えぇ、でもなんかいやですね~。ちゃんとやっているのに。佐々木支店長が言うには、税務署から依頼があったら見せないといけないって言うんですよ。」
これにはさずがの大川社長もしょうがなく納得したのだが、どうも腹の虫がおさまらない・・・。
4日後、2日目の調査が行われた。
調査官
「お子さん名義の預金にこんなに入金があるんですけど、どうしてなんですか?」
奥さん
「それは給料ですよ。息子は取締役だし、うちで働いていますよ。給料台帳にも載っているでしょ。」
調査官
「取締役といっても大学生でしょう。金額からして給料という名目でおこずかいも含まれているんではないんですか。」
奥さん
「いや、そんなことないです。」
調査官
「給料にしては多すぎますよ。」
大川社長
「夜遅くまで従業員が帰ったあとでも配達などしてくれているんだから
適正額ですよ。」
調査官
「そうですか。では、この通帳の印鑑は誰が保管していますか?この残高がいくらあるか息子さんは知っていますか?」
奥さん
「なくすといけないんで、印鑑は私が保管しています。でも、この通帳はいつもうちの息子が見て確認をしています。」
調査官
「本当は、この預金は奥さんのものなんじゃないんですか?」
大川社長
「調査官さん、何言っているんですか。何なら息子を呼んできますよ。でもね、調査官さん、息子まで巻き込むんですか?うちの家族全員があなたのために振り回されるんですよ。」
奥さん
「いいかげんにしてください!もう帰ってください!!」
調査官
「まあまあ、、奥さん。怒らないで下さいよ。息子さんは学生でしょう?結構こういうケースでは実際は働いていないことが多いんですよ。念のため、日報とかタイムカ-ドを見せてください。」
奥さん
「わかりました!見せればいいんでしょ!思う存分見てください。今持ってきますから。」
調査官
「なるほど、タイムカードはありますね。でも、タイムカードは誰でも押せますからね~。」
大川社長
「そこまで言うんなら、本人に直接聞けばいいだろう!」
ということで、息子本人を呼んできた。
息子
「この忙しい時間に何ですか?注文のお酒をすぐ持ってきてくれと言われているので、あまり時間は取れませんよ。」
調査官
「すみません、すぐ済みますから。率直にききますがあなたのお給料はいくらで、そのうち手取りはいくらですか?」
息子
「○○円ですよ。でも、そのうち預金している金額があるから、実際は○○円だったと思うけど。」
調査官
「なんで印鑑を自分で持っていないんですか。」
息子
「なくすといけないから、母親に預けているんです。調査官さん、印鑑がなくても下ろすにはキャッシュカードがあれば下ろせる事ぐらい知ってますよね」
調査官
「そうですか。わかりました。ところで、品物を届けるとき、あなたは納品書を書きますよね?」
息子
「はっ?!まだ聞くんですか?納品書ぐらい書いていますよ。」
調査官
「その納品書を見せてください。どれがあなたの字ですか?」
息子
「なんか疑われているみたいで嫌だな。これとこれですよ。」
息子は納品書の控えをめくりながら、指をさした。
この後も、税務調査官は毎日の仕事内容、勤務時間などをしつこく繰り返し質問し、やっとのことで納得した。今回のケースは調査官が認めてくれたが場合によっては息子に払っていた給料が否認(経費として認められない)され、法人税の修正をさせられる場合がありますので注意しましょう。
以上は、税務調査の方法を実話に基づき再現したものです。抜き打ちで税務署がやってくるのはやむを得ないことです。「税務署は突然やってくる」ということ、それといつ税務署が来てもいいように、普段から書類の整理と疑われないように家族間の給料と現預金管理はしっかりとしないといけないということです。 (登場人物名等に関しては実際とは異なります)
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